book picnic 無事に終わりました

11/26(日)トンガ坂文庫(尾鷲市)さんと「らくだ舎と日曜日を漁村で」開催


尾鷲市九鬼町。歴史ある漁村のトンガ坂を登ると

斜面に張り付くように家々の立ち並ぶ、海山の漁村の風景。
港に面した郵便局の隣、細い路地は、すぐに急な坂になる。
この坂の名は「トンガ坂」と言う。

九鬼町の方言で、「トンガ」とは「大風呂敷を広げる」という意味なのだという。
石畳のこの坂を登っていくと、
おや、どうもお店をやっているようだぞ、
という古民家が現れる。トンガ坂文庫さんだ。

ゆるやかにご縁を重ねて。読書会の様子は『二弐に2(にににに)』に収録

トンガ坂文庫の豊田さん、本澤さんと、私たちらくだ舎はこれまでゆるやかに、やりとりを重ねてきた。

私(貴子)は移住する一年前、
移住後の暮らしを考えようと通っていたローカル関連の講座のフィールドワークとして九鬼町を訪れ、
豊田さん(当時は地域おこし協力隊の任期中)にお話を聞いている。
その時ボランティアスタッフ歓迎との話を聞き、九鬼の隣町での寒ぶり祭りに再訪もした。
どうもその時、本澤さんとすでにエンカウントしていたようだ。お互いに全く覚えていないのだけれど。

はっきりとした出会いは、私たちがらくだ舎という場を持って、本屋としての体裁も整ってきた時、
おふたりが訪問してくださったことに始まる。
同じように協力隊という入り方をして、任期後に本屋を営む選択をした、という点で、
豊田さんと夫の智史には共通点がある。任期の期間もほぼ同じだったはずだ。
その後、私たちもお店を訪問し、お誘いいただいた熊野古道一箱古本市に何度か参加した。

そして、智史が出版する本に収録する目論見を持ちつつ、「読書会」を呼びかけた。
トンガ坂文庫さんと、新宮のYourth Liberary えんがわの並河さん、未央さんと、私たちをベースとした会だ。
その様子は、第4回を切り取る形で、書籍『二弐に2(にににに)』に 辺境から考える「脱成長」として収録している。

出版イベント、11月26日。丸っと一日の読書体験

私たちは、出版した『ニ弐に2』を携えて、全国各地に出かけて行きたいと思っている。
人に出会って、対話して、驚いたり、喜んだりしながら、できるだけこの本を手渡していきたいと考えている。

今、いくつかの面識のある本屋さん、居場所を運営する皆さんに連絡を取り始めているのだが、
まずその最初の機会を、トンガ坂文庫さんにいただくことに決定した。
以下、そのイベントのお知らせする。


「らくだ舎と日曜日を漁村で」
11月26日(日)11:00〜19:00
場所:尾鷲市九鬼町 喫茶店「網干場(あばば)」〜「トンガ坂文庫」周辺

11:00〜17:00 トンガ坂文庫 営業
11:00〜17:00  読書喫茶らくだ舎 in 網干場 営業
17:30〜19:00 トンガ坂文庫×らくだ舎 トークイベント「ニ弐に2ができるまで」

・当日までに『ニ弐に2(にににに)』を購入いただいた方に
「読書喫茶らくだ舎」を読書ラウンジとして提供します
・トークイベントは『ニ弐に2』購入の方を対象に、購入者+1名まで参加無料でご参加いただけます
読書喫茶らくだ舎の食事メニュー、トークイベントは事前に以下よりご予約ください。
らくだ舎と日曜日を漁村で ご予約フォーム https://forms.gle/mxiibsY43KPy4czy8

九鬼町の喫茶スペース網干場に「読書喫茶らくだ舎」が出店します。
そこは『ニ弐に2』を読むための喫茶店。
と言いつつ、すでに読了されている方もいるでしょうし、関連本や他の本を読んでいただくのも歓迎です。

読書喫茶らくだ舎では、
・書籍『ニ弐に2』と関連するさまざまな本の販売
・『ニ弐に2』特別フードメニューの提供(一部要予約)
・らくだ舎オリジナルブレンドや、色川のお茶などの飲み物を提供
といったことをする予定です。

色川の有機野菜、『ニ弐に2』にも登場する山のハム工房「ゴーバル」のハム・ソーセージ、
かつて色川に住んでいた友人が働く、長野・上田市の天然酵母パンルヴァンのパンを使って、
何かランチを提供したいなと思っています。
それらをお昼に楽しんでもらいつつ、
らくだ舎のオリジナルブレンドを飲みつつ、
ゆったり、じっくりと、『ニ弐に2』を読んでいただけるように。

オープンと同時に来店いただいて、一日かけて読書を楽しんでもらうもよし。
気分転換に、トンガ坂文庫までぶらぶら散歩して、
本を探したり、トンガ坂文庫さんとお話をしたり・・・
少しいったところにあるトンガ林(整備中)も読書ラウンジとして開放できるかもしれません。

トークイベントに向けて、夕方に訪れていただくもよし。
お茶やコーヒーとともに、パラパラと読んでいただいて、
トークが始まるのをお待ちいただいても良いかと思います。

17:30からは、そのまま網干場を会場に、トンガ坂文庫さんとらくだ舎でトークイベントを行います。
『ニ弐に2』ができるまでの経緯や、寄稿者の方々についてなど、お話します。
参加者の皆さんからのご質問にもお答えします。トークイベント、というとなんだか大仰ですが、
小さな交流会のような場にできたらいいなと思っています。

ご予約はこちらからお願いします。
https://forms.gle/mxiibsY43KPy4czy8

トンガ坂文庫さんと共催「らくだ舎と日曜日と漁村で」11/26開催レポート

11/26尾鷲市九鬼町で、穏やかな一日


『二弐に2』出版記念イベントとして、トンガ坂文庫さんと共催という形で企画させていただいた「らくだ舎と日曜日を漁村で」。

日中は、読書喫茶らくだ舎、と銘打って、九鬼町の喫茶スペース網干場(あばば)で喫茶店と本屋を出店しました。

コーヒーや、上ほうじ茶ラテなどの飲み物と一緒に用意したのは、二弐に2特別ランチプレート。
色川の野菜や卵、本著に取材文を掲載している山のハム工房ゴーバル(岐阜県恵那市)のソーセージ、ハム。
かつて色川に住んでいた友人で、二弐に2の印刷立ち会い時に再会したひかるちゃんがこねているルヴァン信州上田店の天然酵母のパン。そうした縁ある食べ物を集めました。

初めての場所で、準備が追いつかず、少しお待たせしてしまった反省もありつつ、

本を読んでから食べるゴーバルのハムソーセージは、ただ食べるのとは全く違った感じられ方をした、という声をいただき、
やってみてよかったなと思いました。

網干場はとても素敵な空間で、ふとした一瞬の風景が、心に残りました。
角Rの窓から見える水面のきらめきが店内に満ちて、本の上をゆらめく。
本を読んだり、仕事をしたり、思い思いに過ごす人たちの背中。

久しぶりの人と話したり、散歩に行って帰って来ておやつを食べたり・・・
訪れてくれた人たちの「居場所」になって、なんともいえない心地よい空間になっていたように思います。

また、九鬼町に暮らす方々も飛び入りで食べに来てくださって、美味しかったよ、と言ってくださいました。
これまで、トンガ坂文庫さんのある町、として九鬼町を眺めてきたのですが、
他の町の方々と接する機会になったことで、九鬼町という場所の輪郭が見えてきた気がして、その土地がもっと好きになりました。

色川から来てくれたT山さんやKちゃんのおかげで、たくさんお散歩して、旧九鬼小学校で遊んで、娘も大満足の一日になったようです。
とくに頼んできてもらったわけではなかったのですが、
いつもそうして支えてくれる人たちがいるおかげで、らくだ舎、千葉家はなんとかやっていけていることを、この日もまた感じました。

夕方〜夜にはトークイベント。制作の裏側を話しました

17時半からは、お店を閉めたトンガ坂文庫の本澤さん、豊田さんも合流して、網干場でトークイベントを行いました。
二弐に2購入者ともう一名まで無料、ない方は1000円で本を1000円割引、として設計しまして、
本制作の裏側をお話するような内容です。
本澤さん、豊田さんに質問いただいて、私たちらくだ舎の二人が答えていく形式。

どのように企画して、進めていったのか。寄稿者の方々は、どんな理由、どんな気持ちで依頼していったのか。
装丁とブックデザインを担当してくれた、fulbrn factoryのふたりも参加してくれたので、
その場で、デザインコンセプトをどうやって練り上げていったか・・・
200年残す、200年前の本、タイムレス、といったキーワードがあったことなども、話してもらうことができました。

印刷の苦労、製本や仕様でこだわった点なども。

質問にお答えする場面では、このような質問をいただきました。

「出版前と後で、どんな気持ちの変化があったのか」
「この本の出版は、一般的な本の出版とはまた違った意味を持たせようとしている意図を感じるけれど、そのあたり意図していることとしてはどんなことがあるか」

良い質問をいただいて感謝です。
その時しっかり答えられなかったような気もするので、さらに自分たちの中で考えて、
また改めてどこかの場面で、お答えできればいいなと思っています。
二弐に2の本を持たずに参加いただいた方も何名か来てくださったのですが、皆さん本を購入してくださって、ありがたい限りでした。
参加してくださった皆さん、トンガ坂文庫さん、ありがとうございました。
また今度は、読書会でお会いしましょう。

(らくだ舎 千葉貴子)

『二弐に2』 読者からの声 その二

らくだ舎出帆室より発行した書籍『二弐に2 』を読んで寄せていただいた声をご紹介します。

No.13/1111
季節の変わり目、むすめが風邪をひき家にこもっていた時間、わたしはこの本とともに巣ごもりでき、本当に良い時間をいただきました。
寄稿されたみなさんの文章それぞれに響くものがありましたが、そのなかでも「山里思考」に強く胸をうたれました。移住されての体感や実感が、わたしにとっては未知なことでありながらも身につまされるようで、感動しました。
本当にだいじなものをわけていただいたような気持ちです。
また数年後、数十年後と読み返してみたい本です。(きくたけ)

『二弐に2』読者からの声

らくだ舎出帆室より発行した書籍『二弐に2 』を読んで寄せていただいた声をご紹介します。

No.7/1111
未だ、今朝、らくだ舎にスクーターで乗り入れて現況『概念工事中』P84読書中の脳内幸福物質分泌度100%!

生活の中にあなたの音楽はありますか?
音楽的生き方を見つめロックファンDJ、DTMラヴァー、ウクレレ唄うたい、DJ風味読書カードリーディングを愉しんで生きてきた62年。ビート詩人達が吠えた’60S産まれてサマーオブラヴ、グラマラスロック、インダストリアルミスティPunk/テクノポップ、クラヴカルチャー、引き算の音楽、への音楽潮流のイキモノとしての生命潮流の流れ。

そんな中1987年ハーモニック・コンバージェンス前夜、Picnic Recordという『1000人の機能する夢を作る人達のために』企画し音楽制作、自主スタジオ録音、プレス、封入ポストカード印刷、自主制作インディーズディストリヴューション提携輸入盤屋経由販売、メディア情宣、メディアレヴュー回収ミニコミリレヴュー、テクノポップくくりオムニバス盤参画、海外有名DJに取り上げられ英国レイディオで紹介されリヴァイバルで話題に、CDメディア化のお話2件、YouTubeメディア音源公開、と尾道の高校生一Punk/Pop Bandで創作手工業マフィアモノづくりを愉しんだ記憶を2023年に思い出させてくれた、らくだ舎発信の『二弐に2』。

かつて’70Sお母さん達がコドモ達にことばや数を教える為のメディアだった事もあるカードメディアが、宇宙人集合無意識とのチャネリングで次元上昇の気づきを後押ししてくれるオラクル(神託)カードメディアに意味を変貌させて新たに機能させているように…
はたまた僕にとってのお話になるけれど、スクーターというメディアツールが、大阪という都市での最も小回りの効いたフリーアクセスな存在意味から、年老いた車を事故で廃車した山道暮らしの環境での新しい体験を与え気付かせて新たな生き方を寄せてきてくれるメディアツールに、存在意味を蘇生させているように、

『自主制作本』というメディアツールが、その装丁、デザイン、紙インク選び、綴り、版組、に新しい時代感覚でコストギリギリでの幼心、遊び心、手作り風合い、の世界に挑戦している勇姿を感じて、世の中に溢れる『よそよそしさ』への反撃として、また、とっておきの日本語の言霊、形魂溢れるいつまでも夢見ることを思い出させてくれるモノとして語りかけてくれる嬉しさを同時代精神として体験する事が出来た今に感謝しています。2022年2月22日22時22分22秒のあの『いまこのかけがえのないとっておきの今』というエンジェルナンバーから200年後の次に来たるべきエンジェルナンバーへ。新しい暦で流れ始めた新しい宇宙意識の新しい時間に弥栄!!!^^v。らくだ舎の奏でるオン学に耳を澄ましてみませんか?(Anthem moon)

book picnic 鳥羽さんお話会 無事に終わりました

振り返りが遅くなりましたが、book picnic きてくださった方、出店してくださったみなさん、興味を持ってくださった方々、 改めてありがとうございました。

当初予定していた運営の仕方が諸事情あってできなくなり、また当日は結構な雨。 想定とはまったくことなるレイアウトになり、出展者の皆さん、やりづらい部分も多かったと思いますが、やわらかく対応してくださって本当に感謝しています。

場を開くことで少しずつ魅力的な本屋さんと出合うことができ、こうしたときに駆けつけてくださるのは なんとも言い得ない心強さがあり、有り体にいうと財産だなあとしみじみと感じました。

「人数は少ないながらも熱がありました」と言ってくださる方もおり、出店者、来場者ともに、楽しい時間を過ごせていたら嬉しいな、と都合よく解釈しています。

鳥羽さんのお話について みなさん鳥羽さんのお話にグッと引き込まれている(ように見えた)姿が印象的でした。 紀伊民報で引き寄せられてきた方やいままさに親との接し方に悩む若者の参加などもあって、鳥羽さんから「お客さんを仕込んだのでは?」と疑われるほど。それほど、鳥羽さんにとっても濃い時間になったのではないかな、と推察しています。 改めて、鳥羽さんへ向けては、 福岡という遠い地をもろともせず、 和歌山までお越しくださり、またこれまでの経験を基にした貴重なお話を展開してくださり、 この場を借りてお礼申し上げます。 ありがとうございました。

私自身もとても楽しく鳥羽さんのお話を伺うことができました。本を読んで著者に話を伺うなどという役割をまさか自分が担う日が来るとは思っておらず、恐縮のきわみであり、聞き手として役不足は感じつつも、不思議なほど鳥羽さんのお話を楽しむことができました。 自分なりの分析は、私のなかに子どもの時の私はまだいて、というか共存していて、何層にも重なった自分がある。(それはみんな同じで)その今も存在する自分と出合いなおし、ある意味での救済というか「あの時はそうだったのか」とか「ひねくれていた自分への救いの手」が随所で差し伸べられていた気がしたからだろうと思います。

親子の関係性は人と人との関係性のメタファーである、 鳥羽さんの言葉より

この場合の人と人は、自分と自分も当然その範疇で、そのまま他者との関係性にも深く結びついているのだということが、深いところで腑に落ちたからだろうと推測しています。

写真を提供くださったのは、wheelactionbookstore 西村豪さん。

今回の鳥羽さんのお話は、カップラーメンやお菓子、種をバックに聞くことに意味があると思っていました。雑多さ、パッケージだけに拘らない、鳥羽さんのおっしゃる「出合いを転がしておく」そんな意図を汲み取ってくださったかのような写真をありがとうございます。

こうした企画はらくだ舎の場にとどまらず これからも続けていきたいなあとぼんやり思っています。

らくだ舎として企画した催しはたぶん初めてで行き届かない部分も多くあったと思うのですが、人が行き交うことでの「運動」を感じる1日でした。

お金は運動である 整体対話読本「お金の話」

という言葉が最近とてもしっくりときているのですが、この催しはエネルギーの循環がうまくなされたような気がしています・

イベントの企画は、これまでの経験上、終わった後、ほっと一息というよりもどっと疲れが、、、という場合も少なくないのですが、今回はまったくそれを感じなくて、自分自身の運動のあり方を学習しつつあるのかもしれない。

そして、来てくださる方、出店者の方、気を遣いすぎずにその場に共存するという形がわかるようになってきたのかもしれません。

あえて、不便な山里でやる意味はなんだろう?
どんな場合でもこの問いはついて回るのですが、
ここでしかできないことを恐れ多くも考えながら
わざわざ行くことで生まれる価値を
追っていきたいと思っています。

また、今回えんがわの並河さんと水面下で少しだけ協業をしていました。 若い方はかなりえんがわに集まったようで、その人数は、そのままえんがわさんがあってこその成果ですが、 場所場所で役割や特徴を変えながら、協力して何かを招聘していく形は可能性があるなあと感じました。

複数の場所で共催することで、「旅する催し」とでもいうような形を仕組みとして整備していくと、もっと広がりがあるのかもしれないと思います。(その場合、さらにここでやることの意味を突きつけられるわけですが)

今後、私たちが別の場所に出ていくこと、私たちの地域に人をお招きして接点を作ること、練りながら場の運営をしていきたいと思います。

世の中の情報にふれていると、「本当にそんなことが起こるの?」ということが現実のものとなり、分断はますます広がるばかりのように思います。小さな場所から、分断ではなく、繋ぐ言葉を生み出していけたら。

もしも、 幅広く創作活動をされている方で、和歌山の山のなかで話してみたいという奇特な方がいらっしゃれば、ぜひご連絡をいただければと思います。

改めて、全てのみなさまへ向けて、ありがとうございました。

障害を持つ方々と一緒に、汗かいて。「感謝することばかりです」

2年前から、vege like(ベジライク)安田さんは新しい取り組みを始めた。それは「農福連携」。
人手不足に悩む農業と、生きがい、働きがいを求める障害を持つ方達が結びつくことで、お互いの課題を解決できるのではないか。そんな考え方のもと、日本全国で取り組みが進んでいる。安田さんはある生産者団体の紹介で、障害を持つ方々の作業施設「エコ工房四季」の職員と出会い、同施設利用者との協働を模索してきた。


vege like 安田裕志さん。今年はとても良い出来とのこと

「ひとつは、種しょうがの栽培を担ってもらうこと。初年度は、やっぱり無農薬での栽培は難しくて、天候不順もあって不作だったけど、今年は順調なんです。400kgくらいになるんちゃうかな」と安田さん。これは、安田さんが植え付ける種しょうがの半分ほどの量になる。安田さんはこれまで、種しょうがはほぼ全量を高知県の会社から購入していた。

「エコさんはお隣の古座川町にあるので、目の届くところで育ててもらえるのは安心。高知から買うと、高知県の天候によって不作だったり、不作だと金額が跳ね上がったりする怖さがあるんです。エコさんには、価格も一定金額でお願いしているので本当にありがたい」のだそう。一方、エコ工房側からすると、1だったしょうがを5〜6倍に増やし、それを必ず買い取ってもらえるのは大きなメリットになる。指導もしてもらえる。

色川にある安田さんの畑作業の手伝いもお願いしている。今年は、7月に畑に敷き藁をする作業に来てもらった。

「1反の畑に敷き藁をするのって結構大変なんです。梅雨が明けたらすぐに敷いて、土の乾燥を抑えたいところなんですが、一人だと例年7月下旬までかかってしまうこともありました。今年はエコ工房の利用者さん30人くらいが来てくれて、2日で全部敷いてもらって、すごく助かりました」


利用者のみなさんが敷いた敷き藁

色川に移住して私自身が感じていることだが、障害を持っている方と触れ合う機会は、東京にいた頃に比べても少ないように思う。色川には障害を持つ方の施設はないし、町でも車移動が基本となる私などは、そういった方とすれ違うことすらほとんどないのだ。安田さんは、彼らとのコミュニケーションの難しさや、仕事の一端を任せることへの不安などはなかったのだろうか。今、率直にどんなことを思っているのだろうか。

「敷き藁の作業も、そりゃあ、パキパキっと進められる人ばかりじゃないですよ。ちょっと粗っぽい仕事の人もいたり、普段から農業してるわけじゃないから体調を気遣う必要もあります。でも、みんなすごく真面目でサボろうなんてしない。一生懸命やろうとしてくれるのがわかるんです。そういう人たちと一緒に仕事ができるのは、すごく気持ちがいいんです。みんな、なんかできないかなって、大変な農作業を助けてあげたいと思ってくれていて、こちらは普通に感謝することばかりです」(安田さん)

エコ工房の利用者さんたちは、古座川町の施設から、那智勝浦町色川地区の畑まで約40分、バスに揺られてやってくる。「みんなここに来るのが楽しくてしゃあないみたい。畑に来る担当、取り合いになるらしいんです」と安田さん。障害の程度や内容にもよるが、普段は自宅と施設の往復しかしていない方も多いのだという。そういった方にとって、車窓から見える風景は格別のもの。彼らにとって、遠出できて、自然の中で働いて、誰かの力になることができるのはとても嬉しいことなのだ。

11月末には、畑のしょうがを全て掘り取る時にも手伝いをお願いする予定とのこと。なんでも手伝いたい、と言われているので、しょうが以外の作物も、徐々に手伝ってもらえるようにと思っているそうだ。お互いの努力と対話の上のことだと思うけれど、農業と福祉のとても幸せな出合いが、この畑で起きたんだ。そして、このおいしい新しょうがが実った。胸がいっぱいになって、じんわり、あたたかくなった。

おいしい手紙 第4号 つれづれこぼれ話

おいしい手紙第4号、2021年2月21日(土)に第一弾の発送を終えました。紙面で紹介しきれなかったお話を、こちらのページでこぼれ話としてご紹介します。

もち米も古代米も自家栽培。下里地区と色川地区、二ヶ所に田んぼがある

荒木家の米栽培は、ウルワツさん(哲さん)の担当だ。ウルワツさんがもともと米作りをしてきた下里地区の田んぼと、色川の田んぼ、二ヶ所で栽培をしている。米ともち米、早稲の黒米を栽培するのが下里地区で、色川では晩稲の黒米、赤米、緑米の古代米を栽培している。耕作面積は、今は3〜4反に落ち着いているが、かつては10反ほど耕作していた時もあったという。いろんな人に頼まれて引き受け続けていたら増えてしまったとのこと。

ウルワツさんは、黙々と作業できる胆力と体力を持っているうえ、田作業のスピードも速い。田植え前の田んぼで畔を塗り固める「畦塗り」という作業、色川では鍬(くわ)ですべてを行う人が多いが、ウルワツさんは土をあげる作業を手で行う。下里の人がやっているのをみて取り入れた方法なのだそうだ。ヒロさんが鍬で、ウルワツさんが手で、端と端から畦塗りをしてみたところ、ウルワツさんが圧勝だった、という話もしてくれた。

もち米も古代米も豆も。自分で育て餅まで作る「農家の餅」

荒木家は春から秋にかけて米づくりをし、稲作の農閑期である冬の間には餅屋になる。百姓仕事の一部として、餅づくりをしている感覚なのだという。そのニュアンスを表現したくて「農家の餅」として売っている、まだこれで完全にしっくりきているわけではないんだけど、とヒロさんは話していた。

もち米も古代米も、収穫後はもみ状態で納屋に保管している。以前住んでいた人が作ったらしい立派な納屋は、まさに穀物庫という雰囲気だった。餅作りの最初は、その保管庫から大野区の共同もみすり機に運び、もみすりをするところから始まる。もみすり後は浸水だ。玄米は毎日水を代えつつ三日間浸水し、ほかの餅は前日の朝から浸水しておく。餅をつく日は、早朝、豆を炒るのが最初の仕事。餅つき機で3種類の餅を蒸してつき、ばんじゅうに入れてのす。使っている雰囲気のよい木製のばんじゅうは、かつての色川中学校で使っていたものだ。余談だが、ばんじゅう以外にも、荒木家にはとっても雰囲気のよい古道具がたくさんあって、それを見せてもらうだけでも楽しかった。話を餅に戻して、のした餅は、乾き加減によって前後するが、だいたい翌日午後までおいておき、いわゆるギロチン型のもち切り機で切って包装し、出荷する。

今回はお届けしていないが、荒木家はもうひとつピーナッツ餅というものも作っている。ピーナッツは炒るのではなく、餅といっしょに蒸して一度取り出し、最後に混ぜ込んでいる。

荒木家の風景

荒木家に取材と称して(ちゃんと取材ですが)うかがった。子どもたち含めて、荒木家すてきだなあ、いいなあ、としみじみ思った。側からみているからなのかもしれないけれど、ソーシローは最近すごく良いお兄ちゃんになってきているようにみえる。七輪で餅を焼いたり、薪割りをしたり。トランプの神経衰弱をして遊んだのだが、ヨーちゃんはルールがよくわからずにすぐにカードをひっくり返してしまう。「もー!仕方ない、ヨーちゃんのカードはラッキーカードね」。ラッキーカードとは、ヨーちゃんがオープンにしてしまったカードはそのままにして、手番の人が選んだカードがそのカードと一致すればもらってオーケー、というルールらしい。ヒロさんかウルワツさんが考えたルールなのかもしれないが、弟をのけものにせず、それほど怒りもせずにルールの方を変える…ささいなことかもしれないが、私は感動してしまった。(ちなみにそのあと、よーちゃんが止まらなくなってカードはほとんどオープンになってしまい、「だめだこりゃ、別のことしよー」とソーシローが笑顔で言って神経衰弱はお開きになった。その判断と対応にも驚かされた)

ヒロさんは、冬仕事として藁ビジネス?を画策中らしい。餅の商品開発とか、ポップを書いたりとか、アイディアがポンポン出てきて実行していくのがヒロさんだ。いつもおもしろいことを考えているので、話を聞いているととても楽しい。

なにはともあれ、おいしい手紙第4号、荒木家に大変お世話になり、完成することができた。届いた方はきっと、お餅、お米、そして荒木家のこときっと好きになったんじゃないかなと思っている。荒木家の餅屋シーズンは11月後半から2月いっぱいまで。荒木家の農家の餅をまた食べたい方は、また来年をお楽しみに。古代米、黒米はネットショップで通年販売しています、気に入ったらぜひまたご利用くださいね。

マノメ工房探訪記2020.10.26

昨年10月、
笠間市で作陶されている陶芸家・馬目隆広さん(マノメ工房)の工房にお邪魔する機会に恵まれました。
喫茶室を開くと決めたときから、「珈琲カップは馬目さんのものにしよう」

そう二人で話していたのですが、当時はご本人に連絡する踏ん切りがつかず、
笠間市のギャラリーで買い求めることにしました。
同じ型の器をたくさん買うのは初めての経験で、妙に緊張したことを覚えています。

「いつか直接お会いしてお話してみたい」
そんなふうに思っていたのが、嬉しいことに2年ごしでかないました。
焼成前の器たち
この手から、マノメ工房の器は生み出されます
馬目さんの珈琲カップは、持ち手、飲み口、重み、量感、
カップを両手で包んだときのしっくり感・・・
と珈琲をおいしく飲むための要素が、随所に散りばめられています。

工房にあったアンティークのコーヒーミル

ご自分で豆の焙煎をする珈琲愛好家だということは、
Instagramの投稿で拝見していましたが、
その感覚は、まさに作陶に活かされていることがよくわかります。

当日は、直接お会いできたことに感動したことはもちろんですが、
お邪魔した数時間だけでも、やわらかくて、あたたかくて、実直で、丁寧な
馬目さんのお人柄が伝わってきて、
お言葉に甘えてついつい長居をしてしまいました。

その空気感は器から感じていた印象そのもの。

作品は作り手をうつすものなのだなあと感じ入るとともに、
「馬目さんのカップにしてよかった!」と、改めて嬉しくなりました。

喫茶室で珈琲を飲まれるときは、ぜひカップに着目してみてください。
きっと、珈琲がもっと美味しく飲めると思います。

また、
少量ですが、マノメ工房さんの器を販売もさせてもらえることになりました。
すでにいくつかもらい先が決まったものもありますが、
まだ4点ほど(2021.1月現在)店先にお出ししています。

喫茶室に足を運ばれた際は、ぜひ手にとってご覧ください。
(すみません、写真のオーバル皿やコーヒードリッパーは手元にありません。
ご希望をお伝えいただければ、オーダーも承ります)

最近試みられているスクラッチという新しい技法の器

最後になりましたが、
改めてこの場をお借りして、温かく迎えてくださった馬目さんにお礼申し上げます。
ありがとうございました。今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

【おいしい手紙+レシピ】新しょうがでジンジャークッキー

新しょうがレシピ、続いてはジンジャークッキー。
その響きだけで、一気に気持ちは英文学の世界。
童話の中でしか知らなかったジンジャークッキー。
その味が相当気になったのか、話の中身は覚えていないのに強烈に覚えている。
ジンジャーがイコールしょうがだともわかってなかった。

本当は童話らしく人型に型抜いて顔でも描きたいところですが、
大人には時間がないのでそこまでしません。
型で抜きたい方はもうちょっと固めの生地にする必要があると思うので、
牛乳を抜いてみたらいいかもしれません(でも保証できません、実験していないので・・・)
バターではなく菜種油を使い、卵も使っていないので、あっさりめの味わいです。
型抜きをしないで手でつぶして成型すると、ホームメイドクッキー感が出て、それはそれで良きかなと。

新しょうがでジンジャークッキー
【材料(8〜9枚分)】
菜種油 70g
薄力粉  200g
砂糖 50g
塩 2つまみ
シナモン 小さじ2/3
牛乳 大さじ2
すりおろし新しょうが 20g

【作り方】
<下準備>
薄力粉をふるっておく

①ボウルに、菜種油、砂糖、塩、シナモン、すりおろししょうがを入れ、泡立て器でよく混ぜる。牛乳を加え、よく混ぜて乳化させる。
②ゴムベラに持ち替えて、ふるっておいた薄力粉を加えて混ぜる。まとまってきたら手で混ぜてひとつにまとめる。あまり練りすぎないように注意。
③生地を少しずつちぎって直径2cmほどに丸めてから、敷いたオーブンシートの上でつぶしてクッキーの形に成型する。170〜180℃に熱したオーブンまたはトースターで、焼き色をみながら15分ほど焼く。(クッキーの厚みや並べた位置によっては、10分弱でよい場合もあります)

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●シナモンについて
スパイシーなクッキーが好きな方は、じゃんじゃん増やしてください。カルダモンなども合うと思います。スパイシー版レシピができたらまたアップします。

●しょうがについて
大人向けと割り切ったら、しょうがも30gに増やしてもよいと思います。

●菜種油、砂糖、塩について
らくだ舎レシピなので、取り扱っている国産菜種油(店頭にて1g1円で量り売りしています)、マスコバド糖(サラサラの黒糖です、ネットショップでも扱っています)、色川で作られている熊野黒潮本舗の黒塩(ミネラル豊富でおいしいお塩です)を使っています。
——–
 

【おいしい手紙+豆知識】新しょうがの保存方法


レシピカードにも記載していますが、新しょうがの保存方法について。
1kgお届けしますがすぐに使いきろうとしなくても大丈夫です。ちゃんと保管すれば長持ちします。

しょうがは、寒いところが苦手なのだそう。
最適な温度は、約15度くらいと言われています。
12度くらいから20度くらいまでは適温と言えるみたいです。
つまり、基本的に保管場所は冷蔵庫NG!ということ。常温で保存した方が長く持ちます。
寒すぎると、芯のところから腐ってきます。

みずみずしさを保つため、新聞紙を濡らして絞って新しょうがを包み、直射日光の当たらないところで常温保存がおすすめです。

これからの季節、結構寒くなってくること、また濡らした新聞紙の水分をキープするため、
発砲スチロール箱に入れて保管するのも良いみたいです。(ただし実証はしていません。実証したらまた追記しますね)

ある程度の期間保存していると、赤い茎のところが腐ってぬめっとしてくると思います。
しまった、腐ってしまった〜!と慌てることなかれ。
その部分だけをきれいに洗い流して拭いてから、同様に濡れ新聞紙に包んで保管すれば、まだまだ実の部分は保管できます。
ちゃんとした湿度と温度で保管していれば、新しょうがからほどよく水分ぬけていき、ひねしょうが(土しょうがとも言われる)、つまりは普通のしょうがになるだけなのだそうですよ。

とはいえ、ひとかけ使ってちょっと保存しておきたいんだけど・・・という場合には、
タッパーなどの保存容器に水を入れて、
その中に使いかけのしょうがを入れてチルド室など冷えすぎないところに入れると良いです。

また、適切な保管場所がない、どうしても冷蔵庫で保存したいのだという場合には、同様にチルド室一択です。チルド室なら10度くらいのはずなので。

しょうが農家の方は、土の中で保管することもあるそう。
安田さんは家にしょうが専用の冷蔵庫を持っていて、そこで温度と湿度を管理しているそうです。

らくだ舎の「おいしい手紙」