説明
一番摘みの茶葉をあえて浅めに焙じ、
うまみと香りの両方を兼ね備えた新しいおいしさをつくり出しました。
お茶の収穫は、年に3~4度ほど行われます。
最初に刈り取られた茶葉が、「一番摘み」のお茶。
紅茶業界では「ファーストフラッシュ」と呼ばれているものです。
一番摘みの茶葉は、長期間茶木が蓄えた栄養分を使って出てきているので、うまみが濃く、香りも高い茶葉なのです。
日本茶は、一番摘みの茶葉は煎茶にし、
(緑茶の中でも、蒸したあとに揉んで最終的に針のような形にする手のかかったお茶。両谷園の「大雲取」が煎茶です)
一番摘みのあとにニョキニョキと生えてきた二番目以降の茶葉はほうじ茶などに製茶するのが一般的です。
二番目以降に出て来た茶葉は、茶葉自体のうまみや香りは少ないので、
焙じることで香ばしさを加え、日常的に飲むのには最適なほうじ茶を作っているんです。
しかし、この「上ほうじ茶」はというと、ほうじ茶なのに一番摘みの茶葉だけを使用しているという・・・
一般的なほうじ茶諸君から見れば
「な、なんと贅沢な・・・」
「おかしい、僕たちのなかに裏切り者がいるぞ!」とざわつくこと必至な逸品なのです。
あえて一番摘みの茶葉を使い、それを浅く煎ることで、茶葉のうまみと、焙じた香ばしさの両方を掛け合わせ、飲み飽きない新しいおいしさを作り出しています。
この上ほうじ茶、
化学肥料を使わずに育てた茶葉をもっともおいしく飲むために考え出されたお茶でもあります。
お茶は、本来「肥料食い」の作物です。
肥料をたくさん入れに入れ、それによってうまみやコクのある茶葉になっていく。
そして、うまみのある茶葉は虫たちにとってもおいしい茶葉なので、
虫の被害を抑えるためにたくさんの農薬が必要になります。
「お茶の有機栽培が難しい」と云われる所以です。(有機質肥料のみであっても、一定の虫の被害はあります)
両谷園が使う茶葉はすべて、農薬を使わず、化学肥料も使っていない色川産の茶葉です。
使うのは、牛ふんや米ぬかを発酵させた有機質肥料のみ。
化学肥料をたくさん使って育てた茶葉に比べれば、うまみもコクも控えめであることは誰しも想像に容易いと思います。
そんな茶葉なので、繊細なうまみや甘みを楽しむ煎茶として最適かといえば、そうとも言いきれない部分があるのです。
おいしさと安全性というのは、いつも微妙なバランスでせめぎ合っているもの・・・
うまみのある一番摘みの茶葉をあえて焙じて香ばしさも加えた「上ほうじ茶」は、安全でおいしい、を実現したお茶なのです。
飲んだことのない味、そして本当においしいので一度は飲んでみていただきたい!
とらくだ舎一同切望しています。ぜひ、よろしくお願いします。
おいしい淹れ方
茶葉の目安:ひとり分150ccに軽く大さじ1杯(約3g) |
<手軽に淹れる> 急須に茶葉を入れ、熱湯を注ぎ約20秒待つ。 濃さが均一になるよう、湯のみにまわし注ぐ。
<じっくり味わう> 急須に茶葉を入れ、やや冷ました約90°Cのお湯を注ぎ、30秒~1分待つ。 濃さが均一になる よう、湯のみにまわし注ぐ。
<暑い日は水出しで> 水1リットルに対して大さじ4杯(約13g )を目安 に、水出し用ポットに水と茶葉を入れ、冷蔵庫 で2~3時間置き、茶葉を取り出す。 |